うまい話には、裏がある。その1
これはつい最近、
私と家族に起こった実話です。
(注!会話はバリバリの博多弁、そのままです。)
1月31日の金曜日。
月末、そして今週も仕事が終わろうとする夕暮れ時、
携帯に着信がありました。
母からでした。
母 「あのさー、ちょっと考えてほしいっちゃけど。
今ね、屋根の修理の見積もりをしてもらいよるっちゃけどさ、
屋根の瓦が割れとるところが何箇所かあるって。
あとムネとかトウとか?
漆喰が剥がれとうけん、
このままでは危ないとって。
修理せんかったら、雨漏りして、
そのうち瓦がずれて全部落ちてくるってさ。
もしそうなったら200万円くらいかかりますよ、
って言われるけんさー。
それで、見積りが2つあって、
とっちがいいか聞きたい。
1つは、屋根の全体を修理するというもので、
見積りは(約)35万円やけど、
うちの瓦と同じものが、
その業者さんの会社に在庫があるけん、
値下げして(約)25万円でいいって。
もう1つは、被害の部分だけ修理するもので、
そっちは(約)10万円。
どっちがいいと思う?」
私 「なんでそこ(の会社)に見積もりすることになったと?」
母 「(近所の)●●さんところの作業をしよるっていう業者さんが、
さっきうちに来たったい。
●●さんちの屋根の上から、うちの屋根が見えたっちゃないかいな。
それでうちも雨どいの掃除をお願いしたったい。
そのついでに瓦とかも見てくれたみたいやけど、
かなり痛んどるって。
屋根のムネ?の漆喰も修理したほうがいいって言われるけん、
それならお願いしようかねーと思って。
屋根が落ちてきたら怖かろーが。
この前の風でも、瓦が少し割れとるやろうけん、
どうせ頼まないかんっちゃけん。
あとから200万円もかかるよりは、
10万円くらいで済むなら、
今のうちにしてもらった方がいいやん。」
私 「ちょっとまって。
ムネとかトウとか、
どこがどういう意味でその修理がいるのか、
全然分からん!」
母 「いいやん、業者さん、ほんとよか人やけん。
保険の手続きも全部してくれるっていうし。」
私 「なんで保険の話?」
母 「この前の風で瓦が割れたって(落ちてきた破片の)話をしたらね、
保険会社に出す書類も全部作ってくれるって。
保険でできるところは保険でして、
保険でできんところは少し出さないかんって。
その業者さんは、
もう100件以上保険の申請書類を作ったとってよ。
僕が作ったらほとんど通りますってよ。
そんなことまでしてくれるって、
よかろーが?よか人やん!」
私 「保険の書類作ってくれるけん、いい人?
意味がわからん。
ちゃんとした会社ならどこでも、
保険のことくらい知っとろーもん。
必要なら教えてくれるやろーもん?」
母 「いいや、そんなこと普通は教えてくれん。
しかも、手続きは業者さんがしてあげますって言うっちゃけん!
よかやん!」
私 「全然よくない!
とりあえず、今すぐ決めるのはやめて。
ちょっとKくん(建設業と不動産業の会社社長をしているいとこ)に聞いてみるけん。
Kくんとか、仕事関係で知り合いの業者さんもおるかもしれんし、
紹介してもらうかどうかして、
その修理が妥当かどうか、調べんと分からん!
とにかく、今から電話してみるけん、
ちょっと待っとって!」
そう言って、私は一旦電話を切りました。
後に分かったことですが、この電話は、
業者さんを目の前にして説明を受けている母が、
今すぐにでも契約してしまいそうな様子を見て、
父が、父の言うことも聞き入れなくなった母に対し、
「ちょっと久美子に電話してみぃ」
と言って、かかってきたものでした。
それから私は、
いとこに電話して聞いてみることにしました。
・・・次回につづきます。