印鑑のこと

登記手続においては、たとえば遺産分割協議書を添付して相続登記を申請する場合など、
実印を押印して印鑑証明書を添付する場合が多くあります。

この印鑑証明書というのは、
各市区町村長が「印鑑票に登録されている印影と相違ないことを証明」して交付される「印鑑登録証明書」(福岡市では1通300円)というもので、
あらかじめ印鑑の登録をしておく必要があります。

印鑑の登録や証明については、福岡市では「福岡市印鑑条例」において定められています。
まず、15歳未満の方や意思能力を有しない方は、印鑑登録をすることができません。

それから、受理することができない印鑑については次のように定められています。

  1. 日本人の場合においては、印鑑が住民票に記載されている氏名、氏、名、旧氏及び名、旧氏又は氏及び名の一部を組み合わせたもの若しくは旧氏及び名の一部を組み合わせたもの(区長が認める場合に限る。)で表されていないもの
  2. 外国人の場合においては、印鑑が住民票に記載されている氏名、氏、名若しくは通称又は氏名若しくは通称の一部で表されていないもの(区長が特に認めるものを除く。)
  3. 印鑑が職業等他の事項をあわせ表しているもの
  4. ゴム印その他印形の変化しやすい印鑑
  5. き損、ま滅している印鑑
  6. ふちのない印鑑
  7. 印影の大きさが、1辺の長さ25ミリメートルの正方形に収まらないもの又は1辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まるもの
  8. 前各号規定するもののほか、区長が不適当と認めるもの

受理することができる印鑑であれば、あえて高額な「実印」を作る必要はなく、
認印であっても登録することはできます。
しかし、同一の世帯で同一の印鑑を登録することはできません。
印鑑登録は、変更したり廃止することができます。


ちょっと余談ですが、司法書士の場合、司法書士法施行規則第21条において、
業務上使用する職印を定めなければならないとされています。

弁護士さん、土地家屋調査士さんなど、他の士業においても、職印の定めがあるようです。
(先日、税理士さんとお話ししたところでは、税理士さんは職印の登録義務がないんだとか。)

たとえば、権利書を失くした際に司法書士が作成する本人確認情報には、
司法書士の職印を押印し、司法書士会が発行する職印証明書を添付するのですが、
今では登記手続もオンライン申請が主流となり、電子署名、電子証明書添付で手続することができます。
このようにして、印鑑も、だんだん使う機会が減っていくのかもしれませんね。

【用語いろいろ】(広辞苑より引用)

  • 実印(じついん)・・・市区町村長に届け出て、必要の際に印鑑証明書を求めうる印章。一人一個に限られる。
  • 認印(みとめいん)・・・①当事者が承認したことを示すために押すはんこ。みとめ。②個人の印章で実印以外のもの。苗字などを彫刻して、重要でない事柄に使う。見印。

これは、16年来の私の相棒の職印です。最近は、職印をチタンで作るという話をよく耳にします。