しばた司法書士・行政書士事務所|柴田久美子

告示特定活動と告示外特定活動

在留資格の「特定活動」には、活動内容があらかじめ定められている「告示特定活動」と、活動内容が定められていない「告示外特定活動」があります。

「告示特定活動」は、以下のとおり現在47種類の活動が定められています。
「告示外特定活動」は特別な事情等により認められる在留資格になりますが、明確な規定はありません。

1.告示特定活動

1.外交官・領事館等の家事使用人の家事に従事する活動

2.高度専門職、経営・管理の家事使用人の家事に従事する活動

3.台湾日本関係協会の職員またはその家族の活動

4.駐日パレスチナ総代表部の職員またはその家族の活動

5.ワーキング・ホリデー

5の2.ワーキング・ホリデー(台湾居住者)

6.オリンピック、世界選手権大会その他の国際大会出場経験者で、アマチュアスポーツ選手としての活動

7.上記6の配偶者又は子の日常的な活動

8.外国人弁護士の国際仲裁事件の手続及び国際調停事件手続の代理業務に従事する活動

9.外国の大学の学生のインターシップ活動

  • 卒業又は修了をした者に対して学位の授与される教育課程に在籍する外国人(通信による教育を行う過程に在籍する外国人を除く。)。
  • 教育課程の一部として契約、報酬を受ける。
  • 1年を超えない期間内で、かつ、通算して当該大学の就業年限の2分の1を超えない期間内に契約に基づき業務に従事する活動。

10.英国人の福祉に係るボランティア活動

11.(削除)

12.外国の大学の学生のインターシップ活動

  • 卒業又は修了をした者に対して学位の授与される教育課程に在籍する外国人(通信による教育を行う過程に在籍する外国人を除く。)。
  • 学業の遂行及び将来の就業に資するものとして契約、報酬を受ける。
  • 当該大学における、大学生に対する授業が行われない期間で、かつ、3月を超えない期間内、当該大学が指定した期間の業務に従事する活動。

13.(削除)

14.(削除)

15.外国の大学の学生の国際文化交流

  • 卒業又は修了をした者に対して学位の授与される教育課程に在籍する外国人(通信による教育を行う過程に在籍する外国人を除く。)。
  • 地方公共団体が実施する国際文化交流を目的とした事業に参加して報酬を受けること。
  • 当該大学における、大学生に対する授業が行われない期間で、かつ、3月を超えない期間内であること。
  • 本邦の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校における講義を行う活動であること。

16.インドネシア人の看護師免許取得を目的とした研修

17.インドネシア人の介護福祉士資格取得を目的とした研修

18.16の配偶者又は子の日常的な活動

19.17の配偶者又は子の日常的な活動

20.フィリピン人の看護師免許取得を目的とした研修

21.フィリピン人の介護福祉士資格取得を目的とした研修(実務経験ルート)

22.フィリピン人の介護福祉士資格取得を目的とした研修(養成施設ルート)

23.20の配偶者又は子の日常的な活動

24.21,22の配偶者又は子の日常的な活動

25.入院又は医療を受ける活動(90日以上の日本滞在)

26.25の日常的な世話をする活動(無報酬)

27.ベトナム人の看護師免許取得を目的とした研修(実務経験ルート)

28.ベトナム人の介護福祉士の資格取得を目的とした研修(実務経験ルート)

29.ベトナム人の介護福祉士の資格取得を目的とした研修(養成施設ルート)

30.27の配偶者又は子の日常的な活動

31.28,29の配偶者又は子の日常的な活動

32.国土交通大臣認定の適正監理計画に基づき建設業務に従事する活動

33.「高度専門職」で在留する外国人の配偶者の研究、教育、芸能活動

34.「高度専門職」で在留する外国人又はその配偶者の父もしくは母の日常的な活動

35.国土交通大臣認定または企業単独型の適正監理計画に基づき造船業務に従事する活動

36.特定の分野の研究、研究の指導もしくは教育またはこれらに関連する事業を経営する活動

37.自然科学又は人文科学の分野の情報処理に従事する活動

38.36,37の配偶者又は子の日常的な活動

39.36,37で在留する外国人又はその配偶者の父もしくは母の日常的な活動

40.観光、保養

  • 18歳以上の外国人であること。
  • 1年を超えない期間の滞在であること。
  • 査証免除国の国籍を有する者であること。
  • 預貯金の額の合計額が日本円に換算して3,000万円以上であること(配偶者の預貯金も含む。)。
  • 滞在中の死亡、負傷、疾病の場合に備えて保険に加入していること。

41.40に同行する配偶者の観光、保養

  • 1年を超えない期間の滞在であること。
  • 査証免除国の国籍を有する外国人であること。
  • 滞在中の死亡、負傷、疾病の場合に備えて保険に加入していること。

42.経済産業大臣認定の製造特定活動計画に基づき、外国にある事業所の職員が日本の生産拠点において製造業務に従事する活動

43.日系4世

  • 通算して5年を超えない期間の滞在であること。
  • 日本文化及び日本の一般的な生活様式の理解を目的とする活動であること。
  • 18歳以上30歳以下であること。
  • 滞在中、独立の生計を営むことができると見込まれること。
  • 健康であること。
  • 素行が善良であること。
  •  滞在中の死亡、負傷、疾病の場合に備えて保険に加入していること。
  • 基本的な日本語を理解することができる能力を有していること。

44.経済産業大臣が認定した外国人起業活動管理支援計画に基づき行う起業準備活動及び事業の経営を開始した後引続き行う事業の経営活動

45.44の配偶者又は子の日常的な活動

46.日本の大学を卒業し、日本語の能力を有する者が、日本語を用いて業務に従事する活動

  1. 日本の四年制大学(短大を除く。)を卒業し又は大学院の課程を修了して学位を授与されたこと。
  2. 日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること。
  3. 日本語の能力を有していること。
    ※日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テスト480点程度
    ※大学または大学院において、「日本語」を専攻して大学を卒業した方については、能力を有するものとして取り扱われます(外国の大学において日本語を専攻し、卒業・修了も可)。
  4. 日本の大学又は大学院において習得した広い知識及び応用能力等を活用するものと認められること。

留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン(一部抜粋)

    • 日本の大学または大学院を卒業・修了した留学生(本邦大学卒業者)の就職支援を目的として、入国・在留が認められる制度です。
      「技術・人文知識・国際業務」の在留資格においては、一般的なサービス業務や製造業務が主たる活動となるものは認められませんが、特定活動46号においては、上記1~4の要件がみたされれば、これらの活動が可能となります。 
    • 法律上資格を有する方が行うこととされている業務及び風俗関係業務に従事することは認められません。
    • 上記の1~4の要件を満たす方であれば、日本の大学を卒業後に帰国した方や、他の就労資格で活動していた方も対象となります。
    • 「日本語を専攻した」とは、日本語に係る学問(日本語学、日本語教育学)に係る係る学部・学科、研究科に在籍し、当該学問を専門的に履修したことを意味します。
    • 在留期間:5年、3年、1年、6月又は3月のいずれかの期間。
      「留学」の在留資格からの変更許可時、および初回の在留期間更新許可時に決定される期間は「1年」となります。

47.46の配偶者又は子の日常的な活動

48.東京オリンピック・パラリンピック関連事業に従事する活動

49.48の配偶者又は子の日常的な活動

50.スキーの指導に従事する活動

2.告示外特定活動

① 大学等を卒業した留学生が、卒業後就職活動を行うことを希望する場合

在留資格「留学」を持つ留学生が就職活動のため卒業・修了後(学位を取得しての卒業)も引き続き日本に在留を希望する場合、大学等からの推薦が得られる場合には、在留資格「特定活動」への変更申請をすることができます。

 ◆対象者

  1. 継続就職活動大学生
    在留資格「留学」をもって在留する本邦の学校教育法上の大学(短期大学及び大学院を含む。以下同じ。)を卒業した外国人(ただし、別科生・聴講生・科目等履修生及び研究生は含まない。)で、かつ、卒業前から引き続き行っている就職活動を行うことを目的として本邦への在留を希望する外国人(高等専門学校を卒業した外国人についても同様とします。)。
  2. 継続就職活動専門学校生
    在留資格「留学」をもって在留する本邦の学校教育法上の専修学校専門課程において、専門士の称号を取得し,同課程を卒業した外国人で、かつ、卒業前から引き続き行っている就職活動を行うことを目的として本邦への在留を希望する者のうち、当該専門課程における修得内容が「技術・人文知識・国際業務」等、就労に係るいずれかの在留資格に該当する活動と関連があると認められる外国人。
  3. 継続就職活動日本語教育機関留学生(海外の大学または大学院を卒業又は修了した外国人のみ)
    海外の大学又は大学院を卒業又は修了した後、在留資格「留学」をもって在留する一定の要件を満たす本邦の日本語教育機関を卒業した外国人で、かつ、当該日本語教育機関を卒業する前から引き続き行っている就職活動を行うことを目的として本邦への在留を希望する外国人。

② 大学等の在学中又は卒業後に就職先が内定し、採用まで滞在を希望する場合

「留学」の在留資格で大学等に在学中に就職が内定し、卒業・修了後、入社まで待機期間が生じる場合や、卒業後に継続的就職活動を目的とする「特定活動」の在留資格で在留している外国人が就職が内定し、入社まで待機期間が生じる場合は、内定待機のための「特定活動」に変更する必要があります。

 ◆対象者

  • 「留学」の在留資格で在留されている方
  • 継続的就職活動を目的とする「特定活動」の在留資格で在留されている方

 ◆要件

  • 日本の教育機関を卒業したこと又は教育機関の課程を修了したこと。
  • 内定後1年以内であって、かつ、卒業後1年6月以内に採用されること。
  • 企業等において従事する活動が「技術・人文知識・国際業務」等就労に係るいずれかの在留資格への変更が見込まれること。
  • 内定者の在留状況に問題がないこと。
  • 内定者と一定期間ごとに連絡を取ること、内定を取り消した場合は遅滞なく地方出入国在留管理局に連絡することについて内定先の企業が誓約すること。

③ 「留学」の在留資格の方が卒業後も起業活動を希望する場合

大学在籍中から起業活動を行っていた留学生が、卒業後も継続して起業活動を行うことを希望する場合に、各種要件を満たす場合には、在留資格「特定活動」による最長2年間の在留が認められます。