しばた司法書士・行政書士事務所|柴田久美子

土地・建物の登記

財産分与の登記

親子間、夫婦間などで、土地や家、マンションなどの不動産を無償で贈与(生前贈与)することによって名義変更する際には、贈与による登記が必要になります。
この場合は、贈与税について注意が必要ですので、贈与によって名義を変える前に、税理士さんに相談するなど事前に確認しておくことをおすすめします。

贈与の登記

婚姻期間中に夫婦が築いた財産について、離婚により相手方に分与する場合において、財産分与の対象が不動産のときは、登記名義人を変更することになります。

離婚の成立には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4つがありますが、いずれの方法でも「財産分与」が登記原因となります。

◆ポイント

  • 財産分与を請求することができるのは、離婚成立から2年内とされています。
  • 当事者間で合意が成立したとしても、離婚前(協議離婚届出日、調停成立日、審判・裁判確定日より前)に財産分与の登記はできません。
  • 住宅ローンの抵当権の債務者名義も変更したい場合は、あらかじめ金融機関に事情を伝え、変更を申し出ることになりますが、改めて審査を受ける必要もありますので、債務者名義の変更は難しい場合があります。
    まずは、金融機関に確認されることをおすすめします。

住所、氏名等の変更の登記

不動産を所有している方が住所を移転した場合や、結婚・離婚により氏名が変わった場合に、登記名義人の変更登記が必要になります。

現在は申請の期限もなく、変更登記しないままでも特に問題はありません。
しかし令和8年4月までには、変更後2年以内に登記しなければならないというように、手続が義務化されます。
また、後日不動産を売却する等の際には必ず変更登記が必要になります。

時間が経過してしまうと、申請に必要な書類が多くなり、煩雑になる場合もあります。

抵当権の抹消の登記

通常は、住宅ローンを返済した後の手続として必要になります。
返済が完了すると、金融機関から抵当権抹消関係の書類が届きますので、その書類をもとに手続を行うことになります。

ときどき、金融機関から受け取った書類をそのままにされている方がいらっしゃいますが、抵当権の抹消登記をしないままにしておくと、抹消の書類を紛失することが多く、そうなるともう一度書類を交付してもらう必要があります。
また、特に個人間などの場合は、抵当権の権利者と連絡がつかないといった事態も起こりえます。

抵当権抹消の手続きは、書類を受け取ったら、なるべくお早めにされることをお勧めします。

売買の登記

土地や建物を購入した際は、売買契約書に基づき、売買による登記申請を行い、購入された方の名義にします。
不動産業者さんの仲介により売買の登記手続きを行うことがほとんどですが、個人間(親子・知人)で不動産業者を入れずに売買したいというご希望の場合は、契約書を作成して登記することもあります。